蛋餅(ダンピン)

 今日は昼食に蛋餅(ダンピン)を作りました。蛋餅とは、薄焼き卵のねぎクレープのことで「台湾人の鉄板朝食メニュー」なんだそうです。参考にしたレシピは、邱珮宜(ペギー・キュウ)『日本の調味料と食材で作る ペギーさんのおいしい台湾レシピ』です。今まで5品ほど作ってみましたがどれも美味しく作りやすくて、とても気に入っています。何より、表題の”日本の調味料と食材で作る”に偽りなしです。

 実は私は、今日まで蛋餅を食べたことがありませんでした。モッチモチとした生地(薄力粉と強力粉、そしてタピオカ粉が入ります)がおいしかったです。食べたことのない料理を作るってワクワクします。上手に作ることよりも、食べたことのないものを作ることに魅かれます。それが”本当”の味に足るのか足らぬのかは課題ではありますが。また、“上達”することとは少し質を異にするのですが。

 

 ところで中華料理系の本をめくっていると、卵料理の品名に「蛋」と言う漢字がよく使われています。私は以前から「虫」というパーツを不思議に思っていました。なんとなく「油でフワフワにした卵が芋虫のようだからかな。気持ち悪い」と勝手に思っていたのですが、今日を機に辞書で調べてみました。

 まず、私が芋虫を想起したのは、「蚕(カイコ)」からであることを申し添えます。そして、今日まで「タンパク質」の漢字など考えたことも無かったことを告白しておきます。

 

 蛋(タン/ダン)

  字義:①鳥の卵。

     ②中国南方の水上に住む異民族。

  解字:形声。

     虫+疋(延)。

     音符の疋は、誕に通じ、うまれるの意味。

     虫やへびのうまれてくる、卵の意味を表す。

 

 それでは、私の馴染みのある「卵」はどういった意味なのでしょうか。

 

 卵(ラン/たまご)

  字義:①たまご。鳥などのたまご。

     ②はららご。魚のたまご。

  解字:象形。

     卵の象形。

     隠と陽、卵子精子とがひしめきあって生ずる。

     たまごの意味を表す。

 

 いまいち違いがわからなかったのでネットで検索してみると、「トリの卵だけを指す際に蛋を用いる」というような記述を見つけました。「卵だけだと、魚や虫の卵も含まれる」のだそうです。これらのことを前提としてそれぞれの字義・解字を見直してみると、なんとなくわかったような気になります。それに、蛋白(タンパク)とは卵の白身。卵白。対して、蛋黄(タンコウ)という言葉もあるそうです。卵の黄身。卵黄。二つで私たちが食べている卵になります。さて、加えて私は今日初めて、「蛋」が「タンパク質」の「タン」だったことを知りました。蛋白質はproteinですが、どうして「蛋白」という字を充てたのでしょうか?卵は良いタンパク源ですが、卵白だけとは片手落ちな気がします。「蛋白質」とはなんなのか?

 Wikipediaでは蛋白質(protein)の意味・語源が詳しく解説されており、その中で「ドイツ語→日本語への伝播の過程で生じたのではないか」、と言及されていました。日本がドイツに医学を学んだ歴史に思いを馳せて・・・蛋白質は難しすぎるのでまたの機会に回して、本日の連想検索遊びを終わりにします。

 

 明日からは「タンパク質」が漢字で書ける私です。